魔鞭(Magic Whip)

辛ければ冷たい水を飲めばいい。暑ければエアコンをつければいい。頭痛がするなら薬を飲め。手足が取れたらまたくっつけておけばいい。僕らの社会の進歩は本当に偉大で、何か異常が起きたらそれに対処する何かが必ずと言っていいほど存在している。このこと…

シーツの海に漂う

布団は、海だ。そう、僕は海にぷかぷかと浮きながら、何かの間違いでそのまま一日が過ぎていかないかと期待する。でもはっと時計に目をやると、もう時間だ。学校へ行く準備をしなければいけない。海を離れ、陸地へ。今日の天候は、曇りまたは晴れ。海が恋し…

ユーモアしちゃうよ

最近、ラーメンズのコントを見るのが楽しい。「不透明な会話」や「読書対決」、「無用途人間」がとても面白くて、何回も見返してそのたびに声を上げて笑う。個人的に、第5回公演「home」あたりの小林賢太郎さんの顔が好きだ。片桐さんはそんなに変化がなくて…

飛べればいいのに

GWに会って気まずくなってしまった友達と、こう着状態が続いている。僕の何気ない発言が彼の心持を悪くしてしまったので、こちらから「また会おう!」などと軽薄なことを言ってもさらに関係が悪化するような気がして(当然向こうからは何もないので)、簡単…

ボールを投げる

父とキャッチボールをしたことがない。いずれすると言われて、結局そのままになってしまった。ドラマでキャッチボールをしているシーンを見ると、ちょっとだけ羨ましくなる(ただボールを投げ合うだけなのにね)。体育の時間に友達としたときは楽しかった。…

イコール

「Detroit: Become Human」というゲームが面白い。舞台は、今から20年後のアメリカ、デトロイト。人工知能が高度の進化を遂げ、人間以上の知能を保有し、人の社会に溶け込んだ未来。プレイヤーは、カーラやコナーといったアンドロイドを操作しながら、彼らが…

浸透圧

休日は、たまのご褒美でモスバーガーが食べたくなる。チーズバーガーとペプシコーラ。僕の知ってるモスで一番好きなのは、二階まであるお店で、店員さんの接客がいつも満足させてくれるところだ。そして古着屋をぶらぶらする。イヤホンから流れる音楽を聴き…

盲目

ジョージ・オーウェルの小説に『1984年』という名作がある。いつか読もう読もうと思いながら、大学で出される課題を読んでいたら積みっぱなしになってしまった。夏休みにでも読もうと思う。で、その小説の主人公の仕事は、役人として歴史文書の改ざんをする…

感染力

高一のときに、道徳の課題で「感染力」という文章を書いた。高校で毎年出ている文集みたいなものにそれが載って、嬉しかった(そしてひやひやした)記憶がある。どうしてひやひやしたかというと「感染力」がスマホゲームをしているクラスメイトを少し皮肉っ…

所ジョージになりたい

「笑ってコラえて!」の、ただただ飲み歩いて始発で帰るコーナーが好きだ。あと、ダーツの旅。田舎のおばあちゃんやおじいちゃんがインタビューに答えているのを見て腹を抱えて笑う水曜日。これを家族と見るのがすごく楽しかった。でもこの番組が成り立って…

Can't Buy Me Love

小論文の過去問を何個も解いていたとき、マイケル・サンデルの文章に出会うことがたびたびあった。印象に残っているのは『それをお金で買いますか』だ。例えば、ボランティア。ときどき街で人がゴミを拾ったりほうきで掃いたりしているけど、これに報酬制度…

カントリーボーイの憂鬱

僕が生まれた町は本当に田舎で、本屋やCD屋さんに行くとかなり幻滅する。有名作でさえなかったり、どれも同じような感じだし、つまらない。だから修学旅行に行ったときにはツタヤに行っていろいろ見るのが楽しかった。二階まであるツタヤなんて初めて見たな…

SUPERMARKET FANTASY

僕は自炊しているので、一週間に一回は必ずスーパーに向かう。大学の近くにあるからとても便利だし、だいたいのものが安い。今日も夕方ごろ行って豚バラやらお菓子やらを買って冷蔵庫をいっぱいにした。なにかものがあると、少し安心するなあ。 今日は古着屋…

ビギナーズ

ツイッターに設置している質問箱に「仮免許技能試験おちまくっているので励ましてください」という旨の内容が書かれていた。うむ、わかる。僕も、実は一度落ちていて、試験官にブレーキ踏まれてしまって即アウトになった。その日はだいぶ落ち込んだし、車に…

狼たち

ヘルマン・ヘッセの小説に『荒野のおおかみ』がある。この本はほんとに難解で、僕自身数十ページで挫折してしまった。でもなぜか、「荒野の狼」というイメージが強く残ったままだ。どういうことかというと、現代の市民社会になじもうとする自分と、それを破…

隣の芝生、私の営み

伊丹十三さんの『ヨーロッパ退屈日記』を購入した。伊丹さんは俳優、デザイナー、エッセイスト、映画監督、雑誌編集長など多様な仕事を行ってきた人で、僕自身すごく憧れている人だ。父方の祖父も何でもできた人みたいで、そんな「多様なことをするりと行え…

生きなくたっていい

四月から始まった授業の中に「夏目漱石の『こころ』を読み解いてゆく」というのがあって、まだまだ始まったばかりではあるけれど受けていてとても面白い。今日は「Kがなぜ自殺したのか」ということを1時間半かけて説明してくれた。この作品の題名「こころ」…

B・シュリンクの小説『朗読者』が、とても印象に残る作品だった。15歳の青年が、母親といってもおかしくないほど年上の女性ハンナと恋に落ちるのだけど、ハンナは青年に朗読をお願いする。そうして愛し合い、青年が朗読をして年月を重ねるが、突然彼女は失踪…

道草

高校の修学旅行は、北海道だった。正直僕は東京のほうがよかったのだけど、多数決だからしょうがない。眠い目をこすりながらキャリーバックを引きずって学校まで向かったのを覚えている。あ、そうだ、初めて飛行機に乗ったのだけど、アトラクションに近かっ…

図書館にて

今、大学の図書館の2階でこれを書いている。男子学生が2,3人いて、独特の暗い空気を感じている。カポーティの『夜の樹』を面白そうだなと手に取った。たぶん借りると思う。 小学校の頃から、図書館は大事な場所だった。中学の時は誰も図書館に行ってなか…

光明を追う

ばかばかしいことを全力でやってくれる人が好きだ。ここ最近、面白い動画ばかり探している。どうしても三人称さんのゲーム実況に行きついてしまう。自然と笑いを生み出せる人たちはほんと才能の塊だし、お友達になりたい。 高校二、三年生と同じクラスだった…

やなところ

夜になると、自分の嫌なところが顔を出す。不思議なことに、日中はまったく気にならないのに一人の部屋であれこれして落ち着いてふとしたときに現れる。この感じが、割と何か月も続いている。でも、その「嫌なところ」を忘れたいわけではない。なんというか…

ごめんね、羊たち

ベッドに入った途端、いろんなことが気になり始める。なんかチクチクするなあ、明日何食べようかな、何着ていこうかな、あれとこれと...。頭の中で繰り出される問題の、その最大の悩みはこれだ。「どうやったら眠れるんだろう」。 これを考え始めると、もう…

曇り空の心地

『おもひでぽろぽろ』は、1991年、スタジオジブリの高畑勲監督によって製作されたアニメーション映画だ。僕はこれが好きで、どれくらい好きかというと、『千と千尋の神隠し』より好きな作品だ。作品の構成としては主人公のタエ子の「現在」と「小学5年生の頃…

母心

僕はまだ子供だ。もし僕が世の中に迷惑をかけてしまうと、それは親の責任になる。まだまだ親にお世話になっているし、ある程度先までは、それが続くと思う。子供の僕にとって、親の心はわからない。親が子供に対してどれほどの愛情をもっているのか、その詳…

化ける

大学にいると自然と気づくんだけど、だいたいの女の子が化粧をしている。不思議なのは、高校のときは化粧をしている子が目立ってたのに、大学だと今度はすっぴんの子の方が目立つのだ。なんか、女の子って大変だよねえ、そこんところ。毎朝鏡の前で女の子が…

おなかに悩まされて

いつからか、牛乳をごくごく飲めなくなった。少しのあいだは大丈夫でも、それは必ずやってくる。例えるならば、腹の中を龍が駆け巡っていく感じ。トイレという監獄で時間を過ごすのは結構耐えられないものだ。いつ終わるか分からない痛み。ただただその痛み…

ぼくらの「普通」

藤子・F・不二雄の短編漫画「気楽に殺ろうよ」をご存じだろうか。ある朝、男は誰かに背中を刺されたような痛みを感じる。医者に行って何もおかしいところはないと診断され、家に帰る。おなかがすいたので妻に「ご飯はまだか!」と聞くと、妻が顔を真っ赤にし…

先生

小学校から高校まで、なぜか女の担任の先生に当たることが多かった。女の先生は怒ったとしても怒鳴るぐらいで、そんなに怖くはなかった。だから小学六年生になりはじめて男の担任の先生のクラスに当たったとき、結構ビビった。渡邊先生(漢字がむつかしい)…

汚れた川と、僕らの永遠

岡崎京子さんのことを知ったのはつい最近のことだ。ヴィレッジヴァンガードで『ジオラマボーイ☆パノラマガール』と『東方見聞録』を買った。正直、有名な『ヘルタースケルター』は怖くて買えていない。そしてこの間、映画化されることを知って(主題歌はあの…