2019-09-14から1日間の記事一覧

キリンジと曇天

午後になっても、物憂げな曇り空は変わらなかった。雨が降りそうで降らない、あいまいな天候。授業が早く終わったので、僕は服を買いに出かけることにした。ふと再生したキリンジの「雨は毛布のように」が心地よくって、今日はずっとキリンジのベストを聴い…

悪玉

まだ幼い頃、仮面ライダーに夢中だった。朝早くに起きて、まだ薄暗い部屋でテレビ画面に集中していた。でも、正直内容はいっさい理解できていなかったと思うし、ただ格好いいアクションシーンが見たいだけだった。その証拠に、映画を観に行ったとき、アクシ…

それが夏休み

中学生ごろの夏休みを、ふと思い返す。土曜日は朝からテレビを見ていた。おさるのジョージに、ひつじのショーン。そのあと「せやねん」という番組を見ながら、家族と朝ご飯を食べる。ぱっと思い出すのは、父が作る目玉焼き。胡椒が多すぎて少し辛くなってし…

目覚めると、まず身体のだるさに気がついた。息を吸い込むと、ひゅうという音がする。あ、これは喘息だなとすぐにわかった。小さい頃は小児喘息で、寝るときには体が暖かくなってしまうと咳が止まらなかった。父も気管支が弱く、昔は一日一箱吸っていた煙草…

珈琲ミルク

キリンジの「グッデイ・グッバイ」のミュージックビデオを見ていたら、喫茶店でサンドイッチが食べたくなった。舞台は東京練馬区にあるという喫茶店「プアハウス」。キリンジの二人がそこでサンドイッチを待っていると、失恋したばかりの男の子が入店する。…

ひとりぼっちたち

泥臭いアメリカのブルースみたいな気候だと思った。つい目を細めてしまう。気が付くと汗がつーっと伝っていく。ここまで暑いと、些細なことでいらいらしてしまう。なんでこのおばさんはのろのろと自転車で走ってるんだろう。なかなか信号が青に変わらないな…

劇場

シェイクスピアの『リア王』を、大学のゼミで読解している。例えば「今週は99ページから113ページ」という風に区切られて、その中から自分の担当箇所を決める。毎週4人がレジュメ(プリントみたいなもの)を作成し、ゼミの時間に発表する。どのようなレジュ…

地下に生きる魔術

雨がずいぶん長い間降り続いている。ときどき力強い風が吹いて、木立や枝葉が揺らされる。どれだけ土が雨粒を受け止め、飲み込んでも、やっぱりすぐにぐちゃぐちゃになってしまう。そして確かににじんでゆく。 今日、麻原彰晃を含む、「オウム真理教」の元幹…

三日月

‘‘want’’という英単語の元々の意味は「欠けている」だったらしい。そして、「欠けているから欲しくなる」という流れから、「欲しい」という意味が生まれ、そちらが今も定着している。うん、足りないものは欲しくなるのだ。睡眠も、食事も、休養も。そして、…

浪漫飛行

突然ここでラオスあたりに旅をしに行ったら何が変わるのだろう。多分そんなに変わることはない。授業の単位が取れなくって一学期が全部パアになってしまうけれど、せいぜいその程度だ。唐突にすべてを忘れてぴゅーっと消えてしまいたい時がある。『ドラゴン…

日日是好日

月に一度、必ずと言ってもいいほど頭痛に見舞われる。今日がその日だ。ずきずきと痺れるような痛みを感じながら、これを書いている。へんてこな気分だ。たぶん今日のは気圧のせいだと思う。雨の日は頭痛になりやすいと聞くし。頭だけが熱を持っていて、手を…

ステレオ

ビートルズを聴いている。『With The Beatles』で、今は2曲目が流れている。右耳ではボーカルとコーラスの声が、左耳ではギターやドラム、ベースなどの音が聞こえる。イヤホンって、必ず片方がまずダメになるから、その瞬間からビートルズの音楽は聴けなくな…

まだまだだね

先週解いたテストが、今日返却された。論述問題が2問あったのだけど、僕はあまり点数を見たくなかった。もし、全然かけてなかったらどうしよう。文章を書くのが好きなのに初歩からできていなかったら...。いろんな「もしも」で頭の中がいっぱいになった。先…

その時

朝起きて、眠たい頭のままツイッターを開く。タイムラインを遡っていくと、だんだんと「大変なことが起こったんだな」ということが分かってくる。と同時に、心が汗をかく。今、冷蔵庫にはほとんど何も入っていないし、ご飯も炊いていない。みるみる不安が募…

魔鞭(Magic Whip)

辛ければ冷たい水を飲めばいい。暑ければエアコンをつければいい。頭痛がするなら薬を飲め。手足が取れたらまたくっつけておけばいい。僕らの社会の進歩は本当に偉大で、何か異常が起きたらそれに対処する何かが必ずと言っていいほど存在している。このこと…

シーツの海に漂う

布団は、海だ。そう、僕は海にぷかぷかと浮きながら、何かの間違いでそのまま一日が過ぎていかないかと期待する。でもはっと時計に目をやると、もう時間だ。学校へ行く準備をしなければいけない。海を離れ、陸地へ。今日の天候は、曇りまたは晴れ。海が恋し…

ユーモアしちゃうよ

最近、ラーメンズのコントを見るのが楽しい。「不透明な会話」や「読書対決」、「無用途人間」がとても面白くて、何回も見返してそのたびに声を上げて笑う。個人的に、第5回公演「home」あたりの小林賢太郎さんの顔が好きだ。片桐さんはそんなに変化がなくて…

飛べればいいのに

GWに会って気まずくなってしまった友達と、こう着状態が続いている。僕の何気ない発言が彼の心持を悪くしてしまったので、こちらから「また会おう!」などと軽薄なことを言ってもさらに関係が悪化するような気がして(当然向こうからは何もないので)、簡単…

ボールを投げる

父とキャッチボールをしたことがない。いずれすると言われて、結局そのままになってしまった。ドラマでキャッチボールをしているシーンを見ると、ちょっとだけ羨ましくなる(ただボールを投げ合うだけなのにね)。体育の時間に友達としたときは楽しかった。…

イコール

「Detroit: Become Human」というゲームが面白い。舞台は、今から20年後のアメリカ、デトロイト。人工知能が高度の進化を遂げ、人間以上の知能を保有し、人の社会に溶け込んだ未来。プレイヤーは、カーラやコナーといったアンドロイドを操作しながら、彼らが…

浸透圧

休日は、たまのご褒美でモスバーガーが食べたくなる。チーズバーガーとペプシコーラ。僕の知ってるモスで一番好きなのは、二階まであるお店で、店員さんの接客がいつも満足させてくれるところだ。そして古着屋をぶらぶらする。イヤホンから流れる音楽を聴き…

盲目

ジョージ・オーウェルの小説に『1984年』という名作がある。いつか読もう読もうと思いながら、大学で出される課題を読んでいたら積みっぱなしになってしまった。夏休みにでも読もうと思う。で、その小説の主人公の仕事は、役人として歴史文書の改ざんをする…

感染力

高一のときに、道徳の課題で「感染力」という文章を書いた。高校で毎年出ている文集みたいなものにそれが載って、嬉しかった(そしてひやひやした)記憶がある。どうしてひやひやしたかというと「感染力」がスマホゲームをしているクラスメイトを少し皮肉っ…

所ジョージになりたい

「笑ってコラえて!」の、ただただ飲み歩いて始発で帰るコーナーが好きだ。あと、ダーツの旅。田舎のおばあちゃんやおじいちゃんがインタビューに答えているのを見て腹を抱えて笑う水曜日。これを家族と見るのがすごく楽しかった。でもこの番組が成り立って…

Can't Buy Me Love

小論文の過去問を何個も解いていたとき、マイケル・サンデルの文章に出会うことがたびたびあった。印象に残っているのは『それをお金で買いますか』だ。例えば、ボランティア。ときどき街で人がゴミを拾ったりほうきで掃いたりしているけど、これに報酬制度…

カントリーボーイの憂鬱

僕が生まれた町は本当に田舎で、本屋やCD屋さんに行くとかなり幻滅する。有名作でさえなかったり、どれも同じような感じだし、つまらない。だから修学旅行に行ったときにはツタヤに行っていろいろ見るのが楽しかった。二階まであるツタヤなんて初めて見たな…

SUPERMARKET FANTASY

僕は自炊しているので、一週間に一回は必ずスーパーに向かう。大学の近くにあるからとても便利だし、だいたいのものが安い。今日も夕方ごろ行って豚バラやらお菓子やらを買って冷蔵庫をいっぱいにした。なにかものがあると、少し安心するなあ。 今日は古着屋…

ビギナーズ

ツイッターに設置している質問箱に「仮免許技能試験おちまくっているので励ましてください」という旨の内容が書かれていた。うむ、わかる。僕も、実は一度落ちていて、試験官にブレーキ踏まれてしまって即アウトになった。その日はだいぶ落ち込んだし、車に…

狼たち

ヘルマン・ヘッセの小説に『荒野のおおかみ』がある。この本はほんとに難解で、僕自身数十ページで挫折してしまった。でもなぜか、「荒野の狼」というイメージが強く残ったままだ。どういうことかというと、現代の市民社会になじもうとする自分と、それを破…

隣の芝生、私の営み

伊丹十三さんの『ヨーロッパ退屈日記』を購入した。伊丹さんは俳優、デザイナー、エッセイスト、映画監督、雑誌編集長など多様な仕事を行ってきた人で、僕自身すごく憧れている人だ。父方の祖父も何でもできた人みたいで、そんな「多様なことをするりと行え…