所ジョージになりたい

 「笑ってコラえて!」の、ただただ飲み歩いて始発で帰るコーナーが好きだ。あと、ダーツの旅。田舎のおばあちゃんやおじいちゃんがインタビューに答えているのを見て腹を抱えて笑う水曜日。これを家族と見るのがすごく楽しかった。でもこの番組が成り立っているのは、所ジョージさんがやっているからだと思う。

 所ジョージさんのイメージで今パッと出てきたのは、『崖の上のポニョ』のフジモトだ。縦のストライプの服を着てる、ポニョのお父さん。なんだかフジモトがかっこよかったなあという印象がある。所さんが声優をやったのって後は『トイ・ストーリーズ』のバズ・ライトイヤーかな。すごそうなのに実はそんなにすごくないという感じが所さんの声にぴったりだったなあ。

 んで、所さんの良いところって、職業があんまり分からないところだと思う。本業はミュージシャンらしい。でもやっぱりテレビのイメージが強い。そして好きなことやってるイメージ。車を何十台も所有して、アメカジの古着を何着も持って、ギターも...。そういう好きなことをとことんやっていられるのが羨ましい。そしていつも飄々としていられる性格がかっこいいというか、すべての面で男として憧れる。「所ジョージ」という人間性で仕事をするのは、誰でもできることじゃないから、いつまでもお茶の間に愛されるんだろうなあ。

 同じことをずっとし続けるのは意外と大変だし飽きる。好きなことを仕事にしたらなおさらだと思う。ある声優さんも言ってたなあ、好きなことのランキング1位が仕事だと、仕事での憂鬱を解決するのは結局仕事しかない、だから大変だ、って。例えば、好きなこと1位が音楽で2位が仕事だとしたら、仕事のつらさも音楽で誤魔化したり消化したりできる。だから仕事が一番好きな人は生活するの大変だろうなと思う。

 所さんは、そこらへんの風通しがいいというか、絶妙に砕けた感じがあって好きだ。きちんとしていないわけではないけど、心地よく適当なのだ。所さんの歌にこんな歌詞がある。「裸のブタがいる 酢豚」(これが全部)。なんていうか、所ワールドって感じだ。 

 「適当」という言葉は、「さぼっている」という意味のほかに「ちょうどよい」というのもあるから好きだ。「くだらない」は「下らない」と読めるから好きだ。所さんのことが好きなのは、ずっとそのスタイルでテレビに出てくれているからだ。くだらないのに愛らしい。そしてとことんかっこいい大人が所ジョージだ。