ともだち #とは

友達を作るのが苦手だ。世に言う「コミュニケーション能力」とやらが足りてないのだと思う。話しかけるのがすごく恥ずかしくて、結局受け身のままになってしまう。 大学生になり振り返ると、小中高までの「クラス」という集団はとても不可思議なものだった。「クラスに顔見知りは何人いるか」「クラスでどう立ち回りすればよいか」「クラスであの子とあの子が仲悪いのか…」などと、気にしなくてもいいことも気にしてしまうし、クラスに話す子がいないと、まるで世の中の誰も自分に関心がないかのような孤独感も覚える。クラスはたいそう窮屈なものだった。 僕はたまたま運が良くて、僕なんかに接してくれる人が何人もいた。それは本当に有難いことだと思う。たぶん世の中には、誰にも「自分」という存在を知られないまま、苦しんでいる人がいるはずだ。独りでいることがつらくて悩んでいる人がいるんだろう (ここで大切なのは「必ずしも全員が独りを嫌に思うわけではない」ということ)。 「友達」って一体なんだろう。顔見知りと友達の境界線は、そして友達と親友の境界線は、一体どこにあるんだろう。僕はきっと友達の数が少ないのだろうが、友達は「数」なのだろうか。友達100人作る必要はあるのだろうか。それなのに、友達が多い人を見ていると友達が少ない自分がかわいそうに思えてくるのは何故だろうか。 僕には時々連絡を取りあう友達がいる。向こうには向こうの世界があり、こちらにはこちらの世界がある。その世界の近況を聞くのはとても楽しい。こっちの世界にあんまり変化はないけれど、何かあったら、どうでもいいことでも、そいつに言ってみたいのだ。